JGlossary

JGlossary は Java クラスに対する用語集チェックツールです。

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  ファイル名 バージョン 最終更新日
JGlossary jglossary_0.1.1.zip (83,782 byte) 0.1.1 2004/03/25

概要

JGlossary は、Java クラスファイルを解析して、パッケージ名・クラス名・フィールド名・メソッド名が用語集に沿っているかどうかをチェックするツールです。Ant のカスタムタスクとして動作します。

動作環境

Ant 1.5.3 + JDK 1.3.1_04 で動作確認しています。

主な機能

  • 用語集として用意されたテキストファイルとマッチングを行い、用語集に無い単語をクラス単位で抽出します。
  • 用語集に無い単語をパッケージ単位でリストアップします。
  • 用語の 組合せエラー ()を検出します。
  • 用語として許可する接尾辞などを指定できます。
  • フィールド名・メソッド名については、チェック対象となるアクセス修飾子のレベルを指定できます(protected 以上、等)。

オプション機能です。
例えば、用語集に「modifieddate」が登録されている場合、「modifiedDate」は「modified」「Date」と2つの単語が使用されていると考え、組合せエラーとして「modifieddate」を使用するように促すワーニングを出します。

出力結果のサンプルはこちらにあります。このサンプルは、用語集に 「availablelength」 「set」 「get」 「is」 という4つの用語のみ登録した状態で、 JGlossary に付属のサンプルコードに対して用語集チェックを行ったものです。組合せエラーオプションを "on" にしてますので、「availableLength」はエラーとなりグリーンの文字で表示されています。

また、出力される HTML の下のほうに、用語集に無い単語をまとめてリストアップしてありますので、実装工程の成果物( Java クラスファイル)から用語集を作成・補完する際にも役に立ちます。

使用方法

用語集ファイルの準備

チェックに使用する用語集ファイルは、単純なテキストファイルです。実際に用語集を作成しているエクセルファイルや、データベースなどからコピー&ペーストで作成して下さい。ファイルの形式は、下記のように、1行に1単語を記述するような形になります(※下記サンプル中「↓」は改行文字)。
また、チェック時には大文字小文字を区別しません。用語集ファイルも、どちらで作成してもチェック結果に影響はありません。

用語集ファイルサンプル(は改行文字)
availablelength
set
get
is

Ant ビルドファイルの設定

開発対象が下記のようなディレクトリ構成となっている場合、ビルドファイルの定義は下記のサンプルのとおりになります(左側の数字は、説明用の行番号です)。

開発ルートディレクトリ  
classesディレクトリ …コンパイルされたクラスファイルの出力ディレクトリ
libディレクトリ …コンパイルに必要なライブラリの格納ディレクトリ
srcディレクトリ …Java ソースファイルの格納ディレクトリ
build.xml ファイル …Ant 用の build ファイル
用語集テキストファイル …用語集テキストファイル

※jglossary.jar は lib ディレクトリに格納してください。

01<?xml version="1.0" encoding="Shift_JIS" ?>
02<project name="sample builder" default="compile" basedir="." >
03
04    <!-- 環境変数への参照 -->
05    <property environment="env" />
06
07    <!-- javac コンパイルオプション定義 -->
08    <property name="debug" value="on" />
09    <property name="optimize" value="true" />
10
11    <!-- ディレクトリ定義 -->
12    <property name="classes.dir" value="classes" />
13    <property name="lib.dir" value="lib" />
14    <property name="src.dir" value="src" />
15
16    <!-- コンパイル時のクラスパス -->
17    <path id="compile.classpath">
18        <pathelement path="${classes.dir}" />
19        <fileset dir="${lib.dir}">
20            <include name="**/*.jar" />
21            <include name="**/*.zip" />
22        </fileset>
23        <pathelement path="${env.CLASSPATH}" />
24    </path>
25
26    <!-- ディレクトリを作成してビルドの準備を行います。 -->
27    <target name="prepare">
28        <echo>ディレクトリを作成してビルドの準備を行います。</echo>
29        <mkdir dir="${classes.dir}" />
30    </target>
31
32    <!-- 作成したディレクトリの削除を行います。 -->
33    <target name="clean">
34        <echo>作成したディレクトリの削除を行います。</echo>
35        <delete>
36            <fileset dir="." includes="*.log" />
37        </delete>
38        <delete includeEmptyDirs="true">
39            <fileset dir="${classes.dir}">
40                <include name="**/*" />
41            </fileset>
42        </delete>
43    </target>
44
45    <!-- コンパイルを行います。 -->
46    <target name="compile" depends="prepare">
47        <echo>コンパイルを行います。</echo>
48        <copy todir="${classes.dir}" overwrite="true">
49            <fileset dir="${src.dir}">
50                <exclude name="**/*.java" />
51                <exclude name="**/package.html" />
52            </fileset>
53        </copy>
54        <javac
55            srcdir="${src.dir}"
56            destdir="${classes.dir}"
57            debug="${debug}"
58            optimize="${optimize}"
59            deprecation="off" >
60            <classpath refid="compile.classpath" />
61            <include name="**/*.java" />
62        </javac>
63    </target>
64
65    <!-- Java クラスの用語集チェックを行います。 -->
66    <target name="jglossary" depends="compile">
67        <taskdef
68            name="jglossary"
69            classpathref="compile.classpath"
70            classname="jp.javable.tool.jglossary.ant.taskdef.JGlossaryTask"/>
71        <echo>Java クラスの用語集チェックを行います。</echo>
72        <jglossary
73            glossary="glossary.txt"
74            classes="${classes.dir}"
75            packages="
76                    sample.packagea.* ,
77                    sample.packageb.* "
78            verbose="on"/>
79    </target>
80
81</project>

ターゲット jglossary (66行~)の内部で、Ant の taskdef 要素(67行)を使用して JGlossary が使用できるようにしています。 taskdef 要素の name 属性(68行)は任意の名前を付けられますが、72行目の要素名に影響します(name を "test" にすると、72行目の <jglossary は <test と記述する)。

classpathref 属性(69行)は、17行目の path 定義を参照しています。 JGlossary 実行時にはチェック対象となるクラスを動的にロードしますので、コンパイルに使用したライブラリが必要となります。この指定は必須です。また、 jglossary.jar もこのパスの中(この場合 lib ディレクトリの下)に入れておくと良いでしょう。

70行目の classname 属性は固定です。

72行目以降で JGlossary 実行時の設定を何種類か指定しています。この詳細については、リファレンスを参照して下さい。このビルドファイル自体は、サンプルとして JGlossary の配布アーカイブに含まれています。

Ant の実行

Ant が実行できる環境であれば、コマンドプロンプト(Windows の場合)で ant jglossary とタイプして実行します。下記は上記サンプルを C:\develop ディレクトリで実行した際の出力結果です。

C:\develop>ant jglossary
Buildfile: build.xml

prepare:
     [echo] ディレクトリを作成してビルドの準備を行います。
    [mkdir] Created dir: C:\develop\classes

compile:
     [echo] コンパイルを行います。
     [copy] Copied 2 empty directories to C:\develop\classes
    [javac] Compiling 3 source files to C:\develop\classes

jglossary:
     [echo] Java クラスの用語集チェックを行います。
[jglossary] 初期化処理中....完了
[jglossary] sample.packagea パッケージのチェックを行います。
[jglossary] sample.packagea.SampleClassA クラスをチェック....完了 [30ミリ秒]
[jglossary] sample.packagea.SampleClassB クラスをチェック....完了 [20ミリ秒]
[jglossary] sample.packageb パッケージのチェックを行います。
[jglossary] sample.packageb.SampleClassC$SampleInnerClassD クラスをチェック....完了 [20ミリ秒]
[jglossary] sample.packageb.SampleClassC クラスをチェック....完了 [0ミリ秒]
[jglossary] チェック結果を出力します。
[jglossary] 用語集チェックが正常に終了しました。
[jglossary] チェック結果については jglossary.html を参照して下さい。

BUILD SUCCESSFUL
Total time: 3 seconds

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